9月の月画像 その2(霞ケ浦の風物詩・帆掛け舟・・・)
サルスベリですが、面白い名前なので覚えやすい・・・。
日 々 の 戯 言
25・09・18
読書感想・円かなる大地・武川佑著:
当該著者の本も初めてだ。舞台は1500年代初期から中期(本州では戦国時代)にかけての
北海道渡島半島のアイヌ二派と和人との闘いと、和睦に至るまでの、「約4か月の激闘」の物語だ。
主人公はと言えば、シラウキ(謎多き悪党と呼ばれた男)・稲(蠣崎家当主の娘)が中心だろうが、
脇役が多く紹介しきれない。
平和(でもなかったが)アイヌの地に和人が入り込んでからのアイヌ人との争いを描いた本だ。
1512年に和人の館が襲撃された大事件の紹介があった後、本編は天文十九年(1550)、
シリウチコタンでの結婚式の場面から始まる。祝いの最中、コタンの少女が四ツ爪と呼ばれる羆に襲われ、
シラウキが羆を追う事から始まる。
だからこの半島では、和人とアイヌの他に人間と羆との壮絶な戦いでもある。
一方で、蠣崎の娘・稲は羆から襲われた時にシラウキに助けられたこともあり、
命をかけて和睦にかけて活動する。無謀にも、領主の家臣の娘という身分で、
北海道から出羽の国まで、安東氏に依頼の旅を行う。
この間にもアイヌのシラウキと同年代の、和人の友(次郎、平八郎、権蔵)との
友情をも挿入してワビサビを利かしている。
戦国時代だから仕方ないかもしれぬが、
勝者と敗者、男の女に対する残虐行為も紹介され、胸を打たれる。
ただ、ヒグマの最後はシラウキに討たせたかったとは思う。
登場人物が多く、覚えるのに苦労はしたが、一気読みできた・・・。